雑記
靴を履き、玄関を出た。時刻は2時半の少し手前。
寒い。昨日の夜、ダッフルコートを押し入れから引っ張り出しておいたのは、正解だったらしい。
ようやく、ふゆになったなあ、とか思う。冬独特の、少し霞がかった水色と、ぴんと張るような寒さが、ようやく。
暑い夏のかき氷もいいけど、寒い冬の鍋と煙草には勝てないよ。
駅に向かう途中で、色んな人とすれ違う。あの人の今日は、どんな今日なのだろう。答え合わせのできない疑問だけれど、ただ想像するだけでも特段楽しくないわけではない。
改札を過ぎてエスカレーターを降りて、リュックを下して電車を待つ。10分ぶりの静止。冷えた身体が丁度暖かくなってきた頃合い。
電車に揺られる。平日の昼間は座れるので良い。座っていれば目的地に着くの、よく考えたらすごいことだ。いつもお世話になっております。
電車を降りて、行きとは別の改札を通り抜ける。駅を見渡せば、そこには色んな人の毎日があります。何の共通点も持たない人たちが、勝手に集合離散する場所。
外に出て、歩く。仕事場の手前には、急な坂。子供たちはかけて行き、老人たちは、ゆっくり、ゆっくり、歩いて行く。
働く。勉強を教える仕事。生徒によって、教科によって、問題によって、と「同じ」が存在しないので面白い。四年目。
退勤。上ってきた坂道を、同僚達と降りる。信号を渡って、駅に向かう。帰る人、ご飯を食べに行く人。今日のぼくは後者。
飯を食う。行きつけのラーメン屋。店長が常連には異様な量を盛る店。店員全員が仲良くしてくれていて、会話が楽しい店でもある。店長が休みだったので、胃袋は適度に満たされた。
腹一杯になったね、とか話しながら、駅に向かう。丁度よく暖まった体に夜風が心地いい。もうすぐ雨が降りそうな雲行きだ。
駅。改札を抜けて、電車を待つ。8時ごろ。
電車に揺られる。行きと違って、スーツやオフィスカジュアルの人が殆どだ。それぞれが、それぞれの会社で仕事をして、それぞれの家に帰る。
駅に着いて、また改札を抜ける。この時間帯のこの駅は、何故か異常な風量の風が吹いている。エスカレーターに乗って外に出たら、もう髪は好き放題の方を見ている。
家へ歩く。適度な疲労感と満腹感で、眠たい。脳がゆっくり回転する時間帯。特段考え事をするでもなく、てくてく歩いている。耳元では人間椅子の赤と黒が流れている。
玄関を開けて靴を脱ぎだらだら歩いてリビングに行く。リビングと言ってもワンルームなので、それがほぼ家の全てではあるが。スーツを脱いでネクタイを緩めて、ソファに座る。
今。ソファに深く座ったまま、これを書いている。今日の残りの時間で何をしようかなとか、明日のご飯は何を作ろうかなとか、そう言うことを考えている。
夜。たぶん、飲酒している。何故なら昨日も一昨日も先一昨日もそうだったから。明日も明後日も、きっとそうなることでしょう。幣家では無料で大量に酒を手に入れるライフハックを年間通して募集しております。お気軽にお問い合わせ下さい。
就寝。毎日寝る前の記憶はないので知らない。記憶を飛ばすほど飲んでも、次の朝起きると、コップは流し台に置いているし、部屋はきれいに片付いている。もっと脳味噌を他のところに使えばいいのに。