雑記
一人暮らし4年目にして、やっとダイニングテーブルを手に入れた。
1年目は勉強机で食べていた。2年目にその机を取っ払ってしまったので、小さなサイドテーブルで食べた。3年目以降も上に同じ、である。
不便は不便だけれど、案外どうにかなっていたので、買わず仕舞い。
じゃあなぜ買ったのかというと、引っ越すから。今のぼくの家の本棚とキッチンは、手作りしたもの。しかも、今の家にのみ合うよう作ってしまったから、たぶん引っ越し先では使えない。たくさんの本をむき出しで放置するわけにもいかん。買うしかない、という流れ。キッチンのことはまだ何も考えていない。どうにかなるでしょう。
で、バタフライテーブルの付いた本棚にしたので、晴れて落ち着いて飯を食えるようになった、と言う訳である。
小さな正方形の机が付いているのだが、そこが選んだ理由だ。
小さい頃の話。
家族旅行でよく行っていたホテルの客室には、奥の方に一段下がった場所があり、そこに正方形の小さな机と向かい合わせに置かれた椅子があった。たぶん、ホテルにはよくあるヤツだ。
夜になると、父と母がそこに向かい合って座り、缶ビールとおつまみを楽しんでいた。ぼくは毎回するめを食べながら談笑に参加していた。たぶんその時から酒飲みになることは決まっていたのかも、とかたまに思う。つまみに不味いものはない。
ざっくりいうと、両親が羨ましかったのだ。小さな机を間に挟んで、仲睦まじげにクスクス笑いながら話す両親が。
当時の両親はまだ禁煙していなかったので、煙を燻らせながら時間を溶かす両親が。
温泉の後のビールはやっぱりおいしいね、みたいな、どこまでも普通だけどたぶん最高な会話ができてる両親が。
いつかそういうことがしたいなあみたいな憧れや、なつかしいなあとか思えるので、わざわざそれにしたのだ。
大変ありがたいことに、家族関係はかなり恵まれていると思う。これに関しては、一番の幸運かもしれない。
だから、その分両親に後ろめたくなる。あなた二人は、子供に対して模範解答のような生活を示してきてくれたけど、そんなこと到底ぼくには出来そうにない。ぼくみたいなはてしなくしょうもない人間を育てたのは、両親じゃなくてぼくなんだけど。それも申し訳ない。本当にすみません。
あなたたちが捉えるぼくは、あんまりぼくじゃないのかもしれない。とか思う時もあれば、なんでわかるんだ、と思う時もある。
机を買った!うれしい!という気持ちで書き始めたのだが、気づけばこれである。
日記を書きながら自己嫌悪につなげる選手権があったら3冠取れる気がする。畜生。