雑記

人生は由来、あんまり円満多幸なものではない。

 

愛する人は愛してくれず、欲しいものは手に入らず、概してそういう種類のものであるが、それぐらいの事は序の口で、人間には「魂の孤独」と言う悪魔の国が口をひろげて待っている。

 

 

そう述べたのは安吾だが、どだい人生とはそういうものであろう、と思ってしまうのが実際だ。如何なる時機でも円満多幸なひとだっているし、そうでないひともいる。特段可笑な事でもなければ、敢えて口に出す事でもない。

 

ひとと言うものは、他人と争いながら、自己とも同様に生きて行くものなのである。

 

生きること。そのプロセスに於いて巧く行く事などあまり無いものだが、数少なく巧く事が運ぶ、そんな瞬間に、言外の達成感を得てどうにかする。正負の足し引きなど到底負の方が多い訳であるが、正を得た瞬間のその楽しそうな有様お話しにならん、どうもそんな訳でもないらしい。

 

 

と書きながら、この先何十年も同じ事を考えているんだろう、と、ふと思い、可笑しくなって来た。偏屈で頑固な爺さんになっているんだろう、と思った。