雑記 夢
海を望む、港のある街。それも坂の多い、長崎のような街に居た。
ぷらぷらと行先も決めずに歩いていたら、野良の三毛猫がゆっくり歩いていた。
撫でよう、と近づいて手を伸ばすと引っかかれてしまった。あはは、もう一度、と手を伸ばすと今度は何も言わずに撫でられる。終始真顔である。
その猫と日向ぼっこをしてだらだらと時間を潰していると、黒ぶちの猫がまた一匹、やってきた。
一緒に寝転がる。
「何してるんです?」
黒ぶちが喋る。
「暇しているんだよ。」
ぼくが応える。
「暇ってわざわざするものなんですか?」
黒ぶちが聞く。
「暇には2種類あってね、することないをしてるときと、することがないとき。今ぼくたちがしてるのは1つ目の暇だよ。」
「へえ、どうでもいいけどいい天気ですねえ。」
「そうだねえ。」
猫が人語を喋る不思議さとか、ゆるやかな時間の中にいる猫にも暇という概念があるんだな、とか疑問はたくさんあったけれど、確かにいい天気なのでどうでもよくなってきた。
「ちょうどいい時間になったら起こしてくれない?」
と頼むと
「はあい」
と二つ返事。
ゆっくりと流れる時間を求めて、それが得られること。なんと幸せなことだろう、と思いながら昼寝。
ここで目が覚めた。