雑記 夢

一寸、と声をかけられた。振り向くと其処には何処かで見た事のある、けれど誰だかさっぱり見当もつかない女性が立っていた。君は誰だい、と声をかけても、全く聞こえていないかのように知らんぷりをする。否、本当に聞こえていないのかもしれない。解らない。

其処へ行かないと、と言う。それもどこか切ない様な哀しい様な表情で。其れは何処かい、と聞いてもやはり知らぬふりをする。

続けて彼女は言った。貴方は此方に来るべきではないけれど、貴方がそう望むのならそうするべきです。どうしますか、と。ぼくは混乱する。全く状況が掴めないし、彼女が誰なのかも解らない。見た事も、会った事もある気がするが、それすらも朧げだから。

さあ、行きますよ、と彼女が言った。そして彼女はふっ、と消えた。

という夢を見た。