雑記 冬

朝起きて、コーヒーを牛乳で割りたくなったので、近場の店に買いに行くことにした。牛乳をすっかり切らしていたのだ。

ぼくの父は冷たいミルクコーヒーで朝食を取る人だったので、ぼくもそうするようになったのである。

 

簡単に身なりを整えて、そそくさとサンダルに足を滑らせて、ドアを開けた。

 

快晴である。そして、青一色に晴れきった空の下は、少しばかりか、冬の匂いがした。雪が降った日の匂いである。

 

一年程前、ぼくの住む町にそこそこの雪が降った。暗闇の中、電灯の周りではしんしんと真っ白な雨。東京に来てから初めての雪だったし、九州で経験したそれよりも、ずっと深く積もった。

 

ちょうど良い頃合いで友人が遊びに来ていたので、いざ雪合戦と外に出た。

結局ふたりとも身体が芯から冷えてしまい、馬鹿だなあと思いながら近所の銭湯に行った、そんな感じの顚末だった筈である。

 

今考えると、こんな些細な日常の一つは、些細な日常では無いのだろうなと思う。というか、そうだろうよ。

 

べつに、とか、ふつう、とか、そういう言葉ばかり当てはめてしまう癖を直したい。

 

自分が周りに比べて恵まれてるとかどうとか、そういう話を押し付けられるのはきらいだけれど、恵まれてるか否かを決める基軸は結局ぼくにあるしな、と思った。

 

自己肯定が低い、とか言うくせに、それはただ低い時は低いだけ。人に何かを言われて、無闇矢鱈に反発したくなってしまうのが幼稚さだとしたら、きっとぼくはホイ卒以下でしょう。

 

 

今日も明日も明後日も、ホイは卒業できんのよ。