雑記 夢
何回か訪れたことのある、宿。夢の中でだけ、訪れたことのある世界。
何時も見る夢の中での常識が、当たり前の様に存在する世界。
輪郭の無い音楽が鳴る。声は静かに、けれども重く響く。色は濃く、それでも淡い。
「何を話していたんだっけ。」
取り留めのない会話を暫く続けて、うつらうつら。
朝目が覚めると、残るのは輪郭のみ。大枠しか具に話せないけれど、感覚は全てを捉えている。指示が有れば完璧にこなせるのに、それがなければ動けないのと似ている。
夢の中でしか行った方がないところ。全く足を踏み入れたことが無いけれども、確かに土を掴んだ実感があるところ。
実線は無い。きっと、無いと思う。