すっかり陽が落ちた道路で車を走らせる。 眼の前をちらちらと、伸びた前髪が揺れる。邪魔だが、此れでいい。 其の時分の私にとって、伸ばした髪は内面の象徴の様な物で、漠然としながらも価値の在る物であった。 サービスエリアで買った温かいコーヒーはもう…
感情は、不思議である。人間の持ち合せる物の中で一番、矛盾を孕むものであろう。少なくとも私はそう考えている。 喜怒哀楽という言葉が有るが、人は、人間と言う物は、此れに対して従順で在り、従順で無い。嬉の感情を持つ時などは特にそうだ。素直に喜ぶ時…
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