雑記 夢

朝、まどろみを取っ払って、目覚めると、また夢の中にいた。

確かに、ここは、私が先刻まで見ていた、夢の中だ。

 

この世界では何でも揃う。揃うと言うか、出現する、というのが正しい。懇意でなくなった友人、幼少期の遊場、昔住んでいた家。時々記憶の端を掠めていくような、そんなもので満たされた空間。

 

それぞれが、当時の侭、変わらずに語りかけてくる。物寂しい気持ちとは、まさにこのことである。

 

そんなことを考えていたら、忽ちその情景は雪原へと変わった。青い空を跳ね返して水色に染まる雪野原。ピン、と張った糸のように、冷たい。凍るような息を吐きながら、進む、進む。

 

ここで目が覚めた。